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同人誌を作ろう

 

ここまで基礎知識を学んだ皆さん、お疲れ様でした。

では実際に本を作ろう!さて、何からやればいいの?となりますよね。

0、出たいイベントを決める

1、漫画または小説の原稿を作る

2、印刷所を決める

3、入稿する

4、イベントに搬入する

5、頒布する

6、書店に卸す(人それぞれ)

大体こんな流れが大半だと思います。項目ごとに簡単に説明していきましょう。

0、出たいイベントを決める

これは本を作った後でも作っている途中でもいいといえばいいのですが、具体的な目標や締め切りがないとなかなか初心者は同人誌を作るキッカケにならないと思います。

大体いつごろこういうイベントがあるからそれに向けて頑張ろう!と思うとやる気も倍増します。​

1、漫画または小説の原稿を作る

まずは内容を考えて原稿を完成させましょう。

慣れないうちは最初に印刷所を決めると、大半の印刷所が「入稿用テンプレート」というものを用意してくれています。

ダウンロードしてそれ「原稿用紙」として使いましょう。

特に漫画の場合は「断ち切り〇ミリ」など細かい部分でわからないことが多いと思いますが、印刷所ごとにそういった原稿問題の解説ページがあると思いますので自分で調べてみましょう。

2、印刷所を決める

同人印刷所はとてもたくさんあります。印刷所ごとできる加工があったりなかったりします。

下調べをして「ここにしよう!」と思ったらその印刷所のサイトをよく読んで入稿準備をしましょう。

入稿方法や入金方法、締め切りが会社によって違ってくるのでちゃんとチェックしてください。

3、入稿する

原稿にミスがないか、ちゃんと印刷所の指示にそっているかを確認してから入稿してください。

セリフがぬけていたり誤字があったり、トンボが間違っていたり、何かあっても大半は自分のせいです。

入稿のタイミングは基本的に好きな時でいいのですが、大体「このイベントに出る人は締め切りここだよ」という表が印刷所ごとに提示されています。(大体前の週の月曜~水曜あたりが「通常入稿」の締め切りです)

印刷所によって「もっと前に入稿したら20%オフだよ」とか「ギリギリに入稿したら20%上乗せだよ」とか色々締め切りによる特典もあるので予算やスケジュールと相談して出来るだけ余裕を持って入稿できるようにしましょう。

4、イベントに搬入する

完成した同人誌は「直接搬入」「宅配搬入」「手搬入」のいずれかでイベント当日自分のスペースに持っていきます。

 

直接搬入は印刷所が「自分のスペース(机)まで直接届けてくれる」搬入方法

宅配搬入は自宅などから「宅急便で荷物を会場に送り荷物置き場まで自分で取りに行く」搬入方法

手搬入は自宅から台車や段ボールなどを使い「自分の手でスペースまで持っていく」搬入方法

印刷所を通すと大半は直接搬入してくれます。

コピー本や前回のイベントの残りを手で持っていく場合は宅配搬入や手搬入など、時と場合で使い分けましょう。

宅配搬入はイベントの参加要項に宛先や募集期間が載っているのでちゃんとチェックしましょう。

5、頒布する

イベント会場で同人誌を机の上に置きます「頒布」について後述します。

6、書店に卸す(人それぞれ)

同人誌用の書店で通販申請をし、手順に従って宅急便等で本を送ります。

​各書店にやり方は載っているので自分で調べてみましょう。

同人誌を「頒布する」とは

※今から説明のために一旦「販売」「買う」「売る」等の単語を使いますが基本的にタブーの言葉です。

イベントで同人誌を人に渡す時には「販売」ではなく「頒布」と言います。

元々同人イベントは「お絵かきサークルのイラスト交換会」が発端です。​

「あなたの絵を私の絵と交換して欲しい」→「はいどうぞ交換しましょう」 これが出来ない人(絵という対価が払えない人)が

「サークルに入りたいけど絵が描けない、別の対価(金銭)を払うから私も仲間にいれてください」と言い出して、規模の大きくなったものが今の「同人イベント」です。なので定義上同人誌は「交換」をしているんです。

 

「販売ではない」=「営利目的ではない」ので公式からお目こぼしを頂けているにすぎません。

他人の褌でお金を得てはいけません。二次創作の本を「売って」「儲け」てはいけません。

同人活動は営利目的で動いてはいけません。本が欲しい人があくまで対価として「本の費用」を渡しているだけです。

この費用というのは「本の原価」「交通費」「運送費」「イベント参加費」などなど人によってそれぞれです。

経費?原価?いくらか知りません。知らないでいいんです。サークルが500円といったら諸費用諸々で多分500円なんです。

詳しく追及してはいけません、追及されても答えてはいけません、争いの元です。

お金の話を出さないでください、自ら公式に「ダメです」と言われるキッカケを作らないでください。

万が一公式の目に触れてしまった場合に「うっかり目に入っちゃったけど趣味のサークルの交換会だからまあいいか」と言ってもらえる環境をこちらが作ることが大切です。

 

 

 

同人誌の金額について

じゃあ実際いくらに設定すればいいの?となるのですが、

おおよその「〇ページで表紙がカラー印刷ならこのくらい」という計算式があります。一般的な同人誌の相場計算式です。

B5サイズの場合→ページ数×10円

A5サイズの場合→ページ数×8円

表紙がフルカラー印刷などの場合上記の計算式+100円

※10円単位の端数は切り上げが基本 計算結果が280円なら300円など

あくまでも基礎の計算式です。調べればもっと詳しい物が出てきますので検索してください。

フルカラーでなくても「箔押し」や「特殊紙」など高価な特殊装丁はたくさんあります。

上記の式をベースにその時々で変動します。

人により100円200円の差はあって当然です、基本的に人の本の値段に対して意見してはいけません。

人の本の原価がどうこういう話をしてもいけません、

同人誌について原価がどうこう言ってくる人はそもそも同人誌を作る資格も読む資格もありません。

「原価を計算したらこうなったからお前は利益をだしている」と横から言われたら無視してください。

「辛いことを言われても我慢しろというのか」と思われるかもしれませんが、この金銭の話題に関しては頑張って耐えてください。答えることであなたが炎上し、ジャンルが炎上し、公式にまで危害が及ぶ可能性があります。

あなたが相手を論そうとして言えばいうほど相手もヒートアップします、またそういった騒動にはもともと関係なかった人もどんどん横から口を出してきて、あなたには勿論のこと、あなたの周りや関係ない人にまで攻撃をするようになります。

すると「あのジャンル炎上してるな」と周りから認識され、同じ作品の同人活動を楽しんでいるほかの仲間にも迷惑がかかり、終着点は「あなたが筆を折る」や「公式が同人禁止と言う」など、よくないものばかりです。

あなたが我慢をするのは何よりも自分のため、そしてあなたの周りの仲間のためなんです。

「自分と仲間が同人活動を楽しく行うために自衛をする」のも大切なことです。

討論会を開かないでください、参加しないでください、誰も反応しなければいいんです。

変な質問はスルー、煽られても無視、同人にはある程度のスルースキルも必要です。

そもそもそういう人につっこまれるような状況を作らない為に、ある程度「隠れて行動する」のも大切です。

この隠れるというのは「同人やオタクに関係ない人に認識されることを避ける」という意味です。

知られなければ誰もつっこまないです、文句を言うのは向こうが知ってしまったからです。知られなければいいんです。

オタクの我々は知識をつけて公式に迷惑をかけないようにしつつ、きちんと自衛もする必要があります。

※同人誌の原価の大義名分としての内訳「印刷費」「交通費」「イベント参加費」などがあるのですが

原価がどうしたという話し合いをするとこの原価の中に「手間賃」「労働費」「制作対価」を絡めてくる人が一定数います。

そもそもこの原価に関しては概念として「こういう名目を掲げているから売り上げなど出ていません」といものなので、本来追及することではないのですが、一応誤解のないよう説明すると「手間賃」や「製作時間」などは原価に入りません。

同人誌は「あなたが趣味で勝手に作ったもの」だからです。

あなたが趣味のゴルフ大会で良いプレイをしても誰も「労働対価」なんて払ってくれません。趣味だからです。

労働対価が得られるのは「職業」の場合です、ゴルフならプロゴルフプレイヤー、作家なら商業作家です。

人に説明を求めたり説明しようとしたりしてはいけないので口にすることは無いと思いますが、一応心に留めてください。

 

やってはいけないこと

同人誌や同人グッズを作るにあたりやってはいけないこと

■海賊版と見られる可能性のある物を作る

同人における海賊版とは一般人が見た時に「公式と見間違う可能性がある」物です。

・公式とソックリ、または見間違う可能性のある装丁の本

・公式と見間違う絵柄の本

・公式かな?という誤解を与えるグッズ

などなど、公式が唯一お目こぼししてくれないのが「海賊版にあたるもの」です。

あまりにそっくりな絵柄で本を書くと「あれ、この作者絵がちょっと変わったな?」と、どこかでうっかりオタク以外の人が間違えて手に取る可能性があります。

グッズは特に注意してください、最近のアニメグッズはお洒落だったり絵柄が様々だったりするので誰が書いても公式に見える可能性があります。

ワ○ピースのル○ィが好きな人がグッズを作る時、麦わら帽子だけを描くならおそらくOKでしょう。

なぜならそれは「麦わら帽子」のグッズだからです。

しかし、あの特徴的な頬の傷、あれをなんとなく入れた「海賊版」になる可能性が出てきます。

オタクじゃないル○ィを知ってる人が9割ソレを見てそのキャラクターを想像し、場合により「公式グッズ」と思うからです。

公式は「自分の会社、関連会社の売り上げを妨げるもの」には厳しいです。

特に「関連会社」が大きく影響するグッズ、「立体物」には更に厳しいです。

麦わら帽子と傷のグッズを今後公式が出した場合「え?前にもそれあったよね?持ってるからいらない」という人が出たら

それは営業妨害にあたります。

基本的に一般人が見て公式と見間違うものを作らないよう心がけましょう。

■受注販売

受注販売は「あらかじめ注文数がわかってから品物を用意すること」です。

同人は「営利目的でない」のでお目こぼしを頂いていますが、この「営利目的ではない」というのは

100冊作って2冊しか頒布できなかったから98冊分大赤字だよ」という言い訳でどうにかキープされています。

受注販売の場合あらかじめ「出る部数が決まっている」ので「赤字のリスクを回避して本を作れる」ことになってしまいます。

​こうすると「営利目的ではありません」という言い訳が通用しなくなってしまいます。

■ダウンロード販売

同人誌はあくまで「等価交換する」から許されています。この等価は「同人誌の原価(印刷費や交通費など諸々)」です。

ダウンロード販売は「データ」の販売となるので原価が発生しません。なので完全に「販売部数=利益」になってしまいます。

あらゆる言い訳が使えなくなってしまいます、在庫も出ません、原価もありません。

完全に「営利目的」にあたってしまいます。

※ただし一部企業で「同人誌OK、ダウンロード販売もOK」としているケースもあります。

 それはそれ、特殊例です。基本的には禁止です。

■印刷部数を公開する

「非営利目的」を掲げられるのは「大量に売れ残るリスクがあるから」「実際売れ残った」などの逃げ道があるからです。

100冊作って100冊売れたとなると場合により「あきらかに利益が出ている」となってしまいます。

しかし印刷部数がわからなければ「1000冊作ったけれど100冊しか売れていない」とも言えます。

これは実際にどうこうではなく、あなたが他人から「お前は売上を出している」と言われないためです。

聞かれても答えないでください、答える義務はありません。

仲の良い友人同士でもなかなか話題にしません、それくらい部数の話はデリケートです。

■カップリングの表記詐欺

「これはバナナ風のリンゴです」と描かれたものを買ってみたら「実はリンゴ風味のバナナでした~」

なんてことになったら嫌ですよね、味はどうであれバナナ食べたいのにリンゴだった、これは詐称です。同人誌も同じです。

同じAとBというキャラクターの同人誌でもA×BとB×Aは南極と北極です。全く別のものです。

カップリングに関しての表記は慎重に行ってください。

近年「精神的攻め」などという考えが出てきて、自分がこう思うからA×B けど実際肉体的にはB×A ということがありました。

人に手に取ってもらう本の表記は貴方の考え方よりも一般論で考えないといけません、何故なら手に取ってくれる読み手さんのほとんどは貴方の頭の中のことなど知らない一般的な感覚の人だからです。

挿入したら攻め 挿入されたら受け 両方挿入したならリバ これに尽きます。

ペニスはいれてないけどバイブはいれたなどと隙間をつこうとしないでください、一般論で考えて下さい。

(どっちも挿入しない全年齢本などの場合は精神論で判断していいと思います)

「女王様」や「攻めフェラ」など細かいカテゴリーが出来たせいで混乱する人もいると思いますが、最終的には挿入で決まります。いくら挿入がペニス以外のもの(機械やディルド等)だろうが挿入は挿入です。

いくら「攻めっぽいのはA!脳内を攻めるのもA!」でも、「挿入するのだけはB!」ならB×Aと表記しましょう。

どうしても「しかし精神論では…」という人は表紙めくったところにでも「精神的にはA×Bなんです!!」って書いて下さい。

あなたがどう思おうと大半の人間は最終的に挿入した方が攻めだと思うので、どれだけ言葉責めをしようと何しようと最終的に表記された攻めとは逆の人物が挿入したら「騙された!」と思います。

一般論で判断してください、書くのは貴方でも読むのは他の人です。そこだけは読み手のことを考えて下さい。

両方が交互に挿入などをするのは「リバーシブル(リバ)」にあたります。それならそうと表記しましょう。

あまりに細かな設定で難しい、たとえば「攻めが座薬をいれてもらう」というだけの本は人によって「性行為ではないからOK」「尻にいれられたら受け」などと意見が割れるかもしれません。不安なら注意書きなどに表記をしましょう。

 

■実在企業名やロゴ、サービスの名称をそのまま使う

サービス名や企業の会社名などをそのまま使ってはいけません。

関係ないと思うかもしれませんが、例えば実在する有名なチェーン店「XYZ」があるとします。

あなたが同人作品内で「A×Bが性行為をXYZの従業員更衣室で行う」というネタを書いた場合、オタク知識の全くない誰かがうっかり目にしてXYZの会社に「これはあなたの会社の話ですか?」と問い合わせをするかもしれません。

すると会社は「勝手に自分の会社の名前を使われて誤解をされたことにより営業妨害をされた」ことになります。

わざわざそんなリスクを冒さなくても同人誌は作れます。一文字変えたりもじった別の単語にすればいいだけです。

某遊園地を「デスティニーランド」と表記すればなんとなく伝わりませんか?

LINE→RINE や Twitter→トゥイッター など、いくらでも「ああ、これね」と認識してもらうことは可能です。

作品関係の公式は許してくれても、関係ない会社は許してくれないことは沢山あります。

またロゴは企業の看板ロゴなどは勿論全面的にダメですが、国に認可されたものに与えられるマーク等を

「立体物」や「本の表紙」に勝手に使用するのもいけません。(本の内容についてはものによります)

例えばJISマーク(登録認証機関から認証を受けた事業者(製造業者、輸入業者、販売業者、加工業者)が製品等へ付することができる特別な表示の様式(工業標準化法第19条第1項及び第2項、同法第20条第1項参照))を勝手に本の表紙に使用したら、関係ない人から見ればその本は「認証機関から認証を受けた人が作った本」ということになってしまいます。

ロゴやマークはいくらもじったからといって色や形状から判断して見間違える可能性が高いので

第三者が「ぱっと見て誤解するもの」は避けましょう。

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