はじめに
※このサイトでは「オタク=二次創作に関わっているオタク」「同人=二次創作同人」として説明します
※サイトの説明上「販売」「買い手」「売り手」等の言葉を使いますが基本的に使ってはいけません
これから「オタクになりたて」「同人って何?」という初心者の為にルールやマナーを説明していきます。
その昔、SNSがまだ普及しなかった時代にはオタクは自分のホームページやブログを持って運営していました。
その時にみんなが守っていたもの・・・それが「ネチケット」ネットにおけるエチケット(マナー)です。
トラブルの多くはSNSから起こっています、SNSもネットです。ネチケットの守れるオタクになりましょう。
そしてオタクの第二段階「同人活動」これにも暗黙のルールやマナーが数多く存在します。
お世話になる公式や書き手さん、他のファンの方に迷惑がかからない様心がけましょう。
書き手も読み手も同じ趣味を共有する人間です。思いやりと譲り合いの心を持って楽しく活動していきましょう。
このサイトはいわば「仮免許」です。
サイトを読み終わったら貴方は自分で色々なことを調べて「本免許」を取得して下さい。
「書いてないからいい」「必ずこう」と決めつけてかかるのではなく、気になったことはその都度調べてください。
人に聞くのではなく自分で検索をしてください、同人のマナーはとても奥が深いものです。
このサイトがすべてではありません、序の口であり、個人が掲げているマナーにすぎません。
基礎知識
■オタクとは
元々オタクは闇夜で生きてきた存在です。
昨今メディアや題材として取り上げられており、認知度も深まったせいで脚光を浴びて市民権を得たと勘違いしがちですが、
いくら好きでもいくら貢いでも「ただのファン」です。それも勝手にキャラクターをどうこうして楽しんでいるファンです。
作品に対して100円使おうが100万使おうがファンはファンです、自分の立場を勘違いしてはいけません。
礼節をわきまえたオタクになりましょう。
オタクは基本的に公式を愛し、公式を愛で、公式を応援する存在です。
公式がなければ同人活動だって出来ません、公式に迷惑をかけないことを最優先に行動しましょう。
公式が出したストーリー、キャラクター解釈が全て、気に入らなくてもそれが全てです。「公式」ですから。
公式に対して「解釈違い」と声を上げるのはキャラクターを勝手に借りて二次創作をしている身で言うことではありません。
愚痴は友達とのLINE等に留めてください、Twitter等いわゆる「おもて」で言うことではありません。
公式が間違っている、ミスをしているなどの思うところがあるならしかるべき窓口へちゃんと意見を送りましょう。
オタクとして騒ぐ、文句を言うのではなく、顧客、消費者、ユーザーとしてちゃんと意見を述べてください。
このサイトは「オタクとしてのあなた」「オタクのアカウントのあなた」に対しての呼びかけに過ぎません。
「公式に何も言うな」というのではなく、「公式の見解には文句を言うな」という意味です。
「二次創作をするオタク」は「公式があえて目をつぶっていてくれている存在」です。
こっちから声をかけては迷惑がかかります。
■同人とは
同じ趣味を持つ人、団体などのこと
同人誌は「自分の趣味を書き溜めた冊子を自分で作った物」です。
一次創作と二次創作があり、一次は「オリジナル作品」二次は「版権物のパロディ作品」です。
一次創作は呼び名は「同人誌」ですが、権利は全て作者が持っています。何故ならオリジナルだから。
自分で考えたキャラクター、自分で考えた話を冊子にしたもの、それが一次創作の同人誌です。
特に問題はありません。マナーは守らねばなりませんが存分に「販売」して頂いて結構です。貴方だけの作品ですから。
■二次創作同人とは
非常にデリケートでグレーゾーンな趣味です。
訴えられたら負けます、公式に怒られたら最悪賠償金を払うことになります。
腐男子、腐女子、男女、BL、GL、関係ありません。公式が出しているカップルを扱おうが同じです。
同人誌が合法か違法かと問われれば違法ですが、「違法だ」と訴えることができる権利(著作権)を持つ公式が今のところ
「目をつぶっていてくれている」ため、コソコソと楽しめる趣味の活動です。
「違法」と指摘はされていないものの「合法」ではない という意味で「グレーゾーン」と言われています。
近年同人誌やオタクがかなりオープンな存在になり、ニュースで取り上げられたりもるすようになりました。
企業としても「オタクが盛り上がることで作品が盛り上がる」というのも事実なので多めにみてくれています。
「触れない」「見ない」という姿勢でいてくれているだけで「許可」しているわけではありません。
ただしこれを「オタクが盛り上げてあげた」と思ってしまうのは大問題です。大義名分にしないでください。
オタクが企業に貢献することはもちろんあるとは思いますが、同人を通してというのは決して正攻法ではありません。
「公式が知らないわけない」「公式が黙っているから大丈夫」ではなく。
「公式が知らないふりをしていてくれるからこっちも面倒をかけないようにしよう」です。
公式に「同人をやっていいか悪いか」と聞いたら大半が「ダメです」と言います。
(一部例外で「営利目的でない場合はOK」など、公に許可している場合もあります)
ダメだけど見ないふりをわざわざしてくれているんです、こちらも「見せるつもりはないんです」という姿勢で臨みましょう。
・原作や公式に見せない触れさせない努力
・公の場で出さない見せない話さない努力
これができない人に同人活動をする資格はありません。
実際出来る出来ないではなく「努力する姿勢」が大切なんです。
※同人OKな企業について
「営利目的でなければOK」「同人基本的にOK」といういわゆる「ゆるい」企業もいくつかあります。
その場合何が「営利目的」になるのか、どこまでがOKなのかをしっかり自分で調べましょう。
どうしてもわからない場合、同人OKと明記してある企業に対してであれば「こういうことをしていいですか」と予め質問をするのもいいかと思います。(同人OKでない場合はそんな質問自体してはいけません)
問題が起きてからではなく、問題になる前にきちんと下調べをしておきましょう。
OKだからといって迷惑をかけてはいけません。
最近は公式があえて同人作家に絡んでくるケースもあります、同人作家に仕事を依頼することもあります。
しかしそれはあくまで例外であり、あれがいいならこれもいいと勝手に解釈してはいけません。
また、同人活動には「大義名分」や「概念として」のような
「実際にどうかは別としてこういうことにしておかなければいけない」部分が多くあります。
このサイトでは説明のためにやや突っ込んだ内容を書いていますが、実際口にしてはいけないことが多いです。
「こういう考えとして認識しておけばいいんだな」くらいの気持ちでいてください。
■同人イベントに「お客様」はいない
イベント時によく言われることですが、これは「書き手(売る側)」も「読み手(買う側)」も同人イベントという「交換会」をしているのであり、全員が「参加者」なので誰も「お客様」ではないよという意味です。
お金はあくまで本の代わりの対価です、どちらにも買ってあげた恩も売ってあげた恩もありません、同じ立場なんです。等価交換、物々交換をしただけです。
書き手は企業じゃありません、企業対応を求めてはいけません。同じお絵かきサークルのメンバーなんです。
個人で行う活動には限界があります、出来ないこともたくさんありません、完璧を求めてはいけません。
読み手も顧客ではありません、100%の対応なんてできなくて当たり前です。無理なことは無理でいいんです。
個人の趣味の活動なので「書き手に企業対応を求めない」「無理に企業対応をしようとしない」ようにしましょう。
■同人のジャンル
大きく分けると以下の分類となります。
・創作・・・オリジナル作品のこと
・漫画・・・大元の作品が漫画なもの
・アニメ・・・大元の作品がアニメなもの
・ゲーム・・・大元の作品がゲームなもの
・小説・・・大元の作品が小説なもの
・グッズ・・・ラミネートカードやポストカードからアクセサリー、洋服まで ハンドメイドが主流
・半生・・・ドラマや舞台のキャラクターなどの「誰かが演じているキャラクター」を扱うもの 超上級者向け
・生モノ・・・芸能人など実在する人物そのものを扱うもの 超上級者向け
半生、生モノに関してはめちゃくちゃ、めちゃくちゃ!!!デリケートです。
本当はこの単語をここで出すのもやってはいけないくらいなのですが、知識として身に着けて頂く為に一度だけ記載をご容赦頂ければと思います。(事情を知らない人がこれがまずいと知らずに騒ぐ方が怖いので)
単語の意味や界隈のルールがわからない方は立ち去りましょう。関わってはいけません。迷惑にしかなりません。
この二つに関しては独自ルールが通常の二次創作以上にたくさんありますので各自該当するマナーサイトを検索して下さい。
同人のルールとマナーはこのサイトでの基礎知識のほかに「ジャンルごとの詳細なルールとマナー」があります。
新しいジャンルにお邪魔する時は周りをよく見て、何が前のジャンルと違うのかを見極めてください。
ちゃんとそのジャンルの知識をつけてから同人活動をしましょう。
■作品傾向
大体が以下に分類されます。
~見る、読む、趣味趣向系~
・創作・・・オリジナルの作品(一次創作で男同士の恋愛を描いたら「腐」「創作」の両方に属します)
・腐・・・腐女子、腐男子などの男同士の恋愛
・夢・・・夢女などのキャラクター×自分、キャラクター×オリジナルキャラクターなどの自己投影系の恋愛や友情
・男女・・・男女のカップリング
・百合・・・女同士のカップリング
・ロリ・・・少女、女児
・ショタ・・・少年、男児
・男性向・・・男性が読むことを想定された内容のもの 大半は18禁の男女カップリング
・男の娘・・・女性にしか見えない男性が主体のもの
・ケモノ・・・獣または半獣人などの獣要素のあるキャラクターが主体のもの
~写真系~
・レイヤー・・・コスプレイヤー 創作またはキャラクターの衣装を着て楽しむ人
~グッズ製作系~
・フィギュア・・・フィギュアを作ったり愛でたりする 作る人は「原型師」「着色」など色々
・同人グッズ・・・ラミネートカード、缶バッジ、ポストカードなどイラストやキャラクターイメージのグッズ
・アクセサリー・・・キャラクターをイメージしたアクセサリーや小物を作る人
・服飾・・・洋服系を作る人 普段着からコスプレ衣装まで様々
~キャラクターなりきり系~
・なりきり・・・キャラクターになりきる 中身だけか服装から全てかは人それぞれ
・なりメ・・・キャラクターになりきってメールをする
・なりチャ・・・キャラクターになりきってチャットをする
それぞれに独自のルールやマナーがありますので、ちゃんと自分で下調べしてからその界隈にお邪魔しましょう。
※なりきり系は公式画像や無断転載が多くみられます、勝手に公式画像や人の絵を使わないようにしましょう。
著作権と権利と肖像権
著作権は無体財産権に含まれる知的所有権の一部であり、無体物を創作した著者がそれを排他的に支配が出来る権利である。
日本の著作権法は、著作物によって生じる著作者の財産権の範囲を定めている。( 著作権法第17条第1項)
よくわからないし同人誌なんて一番これにひっかかりそうなものです。本来同人に関わる人はあまりこの話題に触れてはいけません。だからこそ知っておいて下さい。
著作権は平たく言えば「自分が作った物の権利を自分が所有している」ということです。
もちろん漫画にもアニメにも著作権はあります。
「著作権」は作者(漫画なら作家、アニメなら原作者など)などの「作品」を「生み出した」人にあります
「権利」は作者と制作会社や出版社などの「作品」に「関わっている」人にあります
「肖像権」は被写体など、写真のモデルにあります (写真自体の著作権は「作品」を作ったカメラマンにあります)
くらいにとりあえず想定して下さい。
著作権は誰かが何か「作品」を生み出した時点でその作品に対して発生します。
あなたがAという漫画を好きでBという同人誌を出したらAにもBにもそれぞれ著作権があります。
同人誌にも著作権は発生します、大本の作品ではなく「同人誌そのものに対する著作権」です。
コスプレイヤーさんの写真集という名の同人誌もあります。
既存のキャラクターの衣装を着たコスプレ写真集は「同人誌」です。写真集であり同人誌、つまり「同人写真集」です。
その本には「大元の作品の著作権」「あなたが作った写真集自体の著作権」「写っているあなたの肖像権」「写真を撮ったカメラマンの著作権」が関与します。ややこしいですね。
無断転載された、トレースされた、パクリ被害にあった、どれも「あなたの本に対しての著作権」への侵害です。
しかし大前提としてあなた自身も「公式の著作権を害している」という部分に引っ掛かるので、トラブルがあっても
出来れば水面下で処理、少なくとも公式や一般人の目に入るような騒ぎ方はしてはいけません。
権利を主張することは出来ますが、同時に権利を主張できる立場ではないんです。
「じゃあBはそもそもAの作品を勝手に改変してパロディにしているのでは?これは著作権違反じゃないの?」
恐らく同人誌に対するオタク以外の人から一番多い質問です。一般人の目に入るからこのような質問がくるんです。
この質問に正解の回答を出すことはできません、白黒つける問題ではないからです。
同人誌は「グレーゾーン」と言われています、無理に白黒つけようとすると絶対に黒にしかなりません。
追求せずグレーのままにしなければ同人活動はできません。
著作権の権利を主張できるのはその権利を持っている人です。(一般的な漫画やアニメの場合規模が大きいので、それを出版社や制作会社が代行して行ったり弁護士に委託したりしますが、一旦これらをまとめて「公式」と考えましょう。)
なので公式が「これは著作権侵害だ」と言ったらそれは訴えられても仕方ないんです。
逆にこの「著作権」を振りかざせるのは公式のみなので、オタク関係ではない一般人がいくら著作権!と言っても関係はありません、その人は著作権を持っていないのですから。
とはいえ、「公式に言いつけるぞ」と言われたら困りますよね。
「公式は良いかダメかと聞かれればダメと言うしかない」
「同人誌は公式がダメと言ったら一切禁止になる」からです。
貴方だけではありません、ジャンル全員禁止、全員道連れです。
なので「言いつけるぞ」と相手に言われないようにしてください、そういうことを言う人の目につかないようにしてください。
オタクがある程度コソコソしなければいけないのはこれがあるからです。
自分を卑下しろというのではなく、自衛のためにある程度隠れて行動しなければいけないのです。
今はまだ「ダメ」と言われてないから活動できているだけなんです。
なので「ダメ」と言わせない、やってることを気付かせない。知らなければ「ダメ」と言わないんです。知らないから。
危ない橋を渡っている自覚を持って同人活動をしてください。