同人のルールとマナー
ルールとは「規則」「規制」「しきたり」
マナーとは「礼儀」「行儀」「作法」
ルールとマナーを守れとは規則を破らず行儀良くしようという意味です。
同人はルールとマナーによって成り立っています、しかもそのルールもマナーも人それぞれ。
AのサークルはこうでもBのサークルはこう なんてことザラです、しっかり使い分けていきましょう。
Aのサークルが「タメ口OKだよ」と言っていたからといってBのサークルに対してタメ口を使っていいことにはなりません。
同様にAのサークルが「私の絵は誰でも勝手に使っていいよ」と言ったからといってBのサークルの絵を勝手に使っていいことにはなりません。自分の意見や人の意見に流されてはいけません。特殊な界隈なのでルールもマナーも特殊なんです。
ルールは指定されているものなので守らないと罰則があることもありますが、マナーは各々が守るものなのでなかなか目に見える罰則もありません。しかし守らなければ全体が崩れてしまいます。
あなた個人の意見は求めていません。「自分はこう思うからこうする」ではなく周りのマナーに従ってください。
郷に入っては郷に従え、オタクはオタクのマナーに従わないといけません。
マナーの守れない人は同人をやらない 鉄則です。
ゴルフで他人のボール打っちゃいけないですよね?別に法律的に罰せられることはないけど、それやったら仲間に入れてもらえないし多分ゴルフ場から追い出されます。同人も同じです。
マナーというのは大多数の人が守れるかつ認めたからマナーとして存在しているんです。守れない人は参加資格がありません。
公式に触れてはいけません、接触してもいけません。一般人に見られてもいけません。
そのための対策をしなければなりません、「あっちが見てきた」ではありません、その環境を作ったあなたの責任です。
作品タイトルやキャラクター名を堂々と叫んではいけません、タグ付けもダメです。
「公式の人が見る可能性が高まる」全ての事柄を排除しながら動きましょう。
お目こぼしを頂くには「相手の目が届かないような配慮、努力をする」必要があります。
同人においてやってはいけないなことは沢山あります。
たまに「いいよ」という人もいますが、世間的にはやっぱりダメです。細かいところは自分で判断してください。
ここに書いてあるからこう!書いてないからいい!ではありません、空気を読んで柔軟に対応して下さい。
また読み手も書き手もいつお互いの立場に立つかわかりません。とりあえずどちらも一度目を通して下さい。
やるべきこと
■一般人、公式の目に触れないようにする
大前提です、他の項目でも散々言いましたが突っ込まれる要素を与えてはいけません。
知られなければ突っ込まれません、隠れることで身を守りましょう。
■検索避け
TwitterやPixivなどで意識的にやりましょう。
「作品は好きだけど同人は知らない」という一般的な「ファン」が「山田太郎」というキャラクターを好きだとします。
あなたは「山田太郎×山田花子」で活動していて「山田太郎×山田花子の18禁同人誌です!」とツイートした場合
純粋な興味で「何か山田太郎のこと呟いてる人いないかな」と検索したファンはあなたのツイートを目にすることになります。
TwitterもPixivもオタクもいれば一般的なファンもいます。オタクの二次創作を目にしたくないのに好きなキャラクターの名前で検索したら目に入ってしまった というのを防ぐために検索避けをしましょう。
「山田〇郎」や、太郎×花子の頭2文字の「太花(カップリング固有の名称が大体あります)」のような呼び方をするなど、知らない人の目に入れないようにする配慮をしましょう。
絵に限らず、カップリングの話をする場合や同人関連の話をする場合もなるべくフルネームや作品タイトルは避けましょう。
Pixivのタグも同様に二次創作関係のものをアップする際は、作品名やキャラクター名はそのままではなくそのジャンルやカップリング固有の呼び名にしましょう。
■ゾーニング
同人誌は知らない人にあえて教えるような趣味ではありません。
知らない人がうっかり目にしないように「同人関係の話をする場所」や「同人活動を行う場所」をちゃんと分けましょう。
また年齢制限のかかる話題や文章、絵や漫画はPixivなら「R-18タグ&検索避け」、Twitterなら「鍵アカウントかプライベッターを使用」など、うっかり目に入る状況で出さないようにしましょう。
※Twitterの規約で「ツイートする画像/動画をセンシティブな内容を含むものとして設定する」にチェックを入れた場合年齢制限のかかるコンテンツを載せても良いとされていますが、それはあくまで二次創作以外の話です。
「二次創作はオタク以外に見せない」ものなので、年齢制限に関係なくゾーニングをしましょう。
やってはいけないこと~読み手側~
■無断転載
表紙画像だけ、同人誌の一部だけ、同人誌丸ごと、Pixivにあったイラスト 公式画像 全部アップロードしてはいけません。
一部だけでもダメです。特殊な条件化で作者に許可が取れることもあるかもしれませんがそれはそれ、基本的にはダメです。
アップロードもダウンロードも見るだけでもダメ。同罪です。
ゲットした同人誌を「戦利品~」なんてTwitterで自慢したくなりますよね、ダメです。無断転載です。
書き手が自分の意志でアップしたものは書き手の責任です、いいんです。しかし貴方が勝手に載せたものは書き手は責任をとれません、それでも何かあった場合の責任は無理矢理書き手がとらされることがあります。
戦利品が嬉しいなら、その作者が好きなら作者さんのツイートでもリツイートしてて下さい。
公式の画像を勝手にTwitterなどのアイコンやヘッダーに使うのも無断転載です。みんなやっててもダメです。
公式が「Twitter用アイコン配布」っていった場合はOKです、ちゃんと許可のあるものを使いましょう。
ちなみに誰かの絵に勝手にサインを入れて自分の絵としてアップロードするのも勿論ダメです!無断転載+自作発言です。
あなたがさも自分で描いたかのように振舞って「上手ですね」と言われる裏ではその何百倍もの人が「無断転載」って思ってますからね、バレてますよ!!やらないでください!!!
またNAV○Rまとめなどに勝手に人の絵を載せて紹介するのも無断転載です。好意的だろうとなんだろうと無断転載です。
転載とは「作者本人の許可のない所で第三者が誰かの著作物を流用すること」です。
流用っていうのはアップロードとか人に送るとかそういうことです。好きな作家さんの絵を見て欲しいなら公式リツイートなりピクシブの公式URLをツイートするなりしかるべき手法をとってください。
※本来であれば出典元を記載してどこかに第三者が文章や絵を載せることは「引用」としてOKですが、同人の場合はそもそもが本来アウトに近いので何かあった時作者が全てを自分の管理化で削除する必要があります。なので同人に限っては基本的に引用も禁止です。
※よく見かけますが「〇〇画像bot」などの公式などの画像を載せまくるアカウントも無断転載です。
■転売(オークションやフリマアプリ出品など)
転売の本来の意味は営利目的で希少性の高い物品を高値で売る行為ですが、オークション、フリマアプリ出品を
まとめて「転売」として説明します。ダメです。特に年齢制限の本は本当に危ないです。
まず同人誌やグッズは「公式の目に触れないようにする趣味」です、限られた会場、限られたメンバー、限られた書店のみで取り扱うから成り立っているものですが、転売となった瞬間「全く関係のない人の目に触れる」ことになります。
フリマアプリで同人誌が出された場合、例えば「ホビー(おもちゃ、趣味の項目)」になるとどうなるでしょう?
「なんかおもちゃでも買うか」と検索した同人誌を知らない人が目にすることになります。
更に問題なのは、18禁などの年齢制限本の「年齢制限表記をわざと隠して出品」されることです。
頒布の時にサークルは「年齢確認」をします。相手が規定の年齢に達していたら本を渡します。
しかし転売を通すとその確認がとれません、でも転売で買ったなんて証拠もありません、証明も出来ません。
例えば15歳の子が転売で手に入れた18禁の本を持っていて親に見つかったとします。親はどこに文句を言うでしょうか?
奥付に書いてある同人サークルです。
まず同人サークルに話がいき、転売の事実が証明できたら転売した人に話がいきます。どのみち誰かが罰を受けます。
未成年にお酒を売ったら酒屋が罰を受ける様に、同人誌も未成年に売ったら売った人間が罰を受けます。
転売ヤー(転売を生業にしている人)はジャンルがどうとか作家がどうとかそんなことどうでもいいんです、感情なんかありません。金が全てです。
「次の本の購入資金にしたいからこの本を売ろう」と転売をする人はその行為で書き手がダメージを受けるかもしれないのにそんなことをしないでください。中古同人誌販売書店でやってください。
「転売でしか売ってないから買う」人もやめてください、買えなかったのはあなたの努力が足りないせいです。自分が悪いのに本が手元に無いからと欲しい本を書いてくれた人に迷惑をかけてはいけません。
転売なんて買っていいことはありません。転売がなくならないのは買う人がいるからです。
※転売と中古販売は違います。転売は「利益目的」で個人または資格の無い業者が物品を第三者に売ること。中古販売は資格のある個人または業者が古物営業法を守った上で買取、販売を行うことです。
「オークションやアプリに「同人誌」の項目があるから出品してもいい」のではありません。
転売を行う場所のルールではなく同人のルールに従ってください。
■自作発言
人のものを勝手に自分が作った!と言ってはいけません。当たり前ですね。
あとほとんどの場合すぐにバレます。絶対にバレて恥ずかしい思いをするのはあなた方です。
一時的な優越感の為にそんなバカな真似はやめましょう。
■電車など人前で同人誌を読む
ダメです。社会的にダメ。人としてもダメ。オタク失格です。
同人は閉鎖空間で楽しむものです。オタクとして胸を張るのとオタクとして主張をすることは違います。
あなたの読んでいる18禁本を目の前で子供が見つめているかもしれません。やめてください。
電車の乗客も本を作ったサークルも迷惑です。その場に偶然いたオタクも恐らく恥ずかしい思いをします。
■公式に絡む
あなたのその二次創作をしているアカウントや二次創作絵をRTしたアカウントを公式が見る機会を与えないでください。
リプライを飛ばしたいなら別のアカウントから、意見を言いたいなら本名で企業の窓口から。
いくら応援しています!という明るい意見でも二次創作関係に公式が自ら触れることはできません。
他の人に「あの企業は同人を認めているのか」と思われてしまうからです。
■サークルへの突撃(凸)
ダメです。いくら気に食わなくてもダメです。解釈が合わなくてもダメです。
気に入らないのなら自分から離れて下さい、貴方が勝手に読んだものに対して文句を言うのはお門違いです。
みんなが迷惑しているからこうして欲しいというのは「要望」ですが、自分が買えなかったからもっと作って欲しいは「貴方個人の願望」です。読み手が誰の本を買うか取捨選択できるように、書き手も誰に本を渡すか選択できるんです。
相手は企業じゃありません、あなたはお客様ではありません。相手に催促をしてはいけません。
「もっと多く作れ」「もっとこれを書け」「読み手の気持ちを考えろ」「こっちの立場になれ」
そう思った人は同人向いてません、あなたがまず相手の立場を考えられていません。
貴方がどれだけピカソのファンでもピカソは貴方の要望を聞いてはくれません、貴方の為に新しい絵を描くこともありません。
書き手にもそのくらいの気持ちでいてください。当然なんです他人ですから。
ピカソの絵を手に入れられないのは貴方の財力が足りないからです、作家の本を手に入れられないのは貴方の努力が足りないからです。責任転嫁してはいけません。宝を得たいならそれなりの努力が必要なんです。
書き手は書き手であると同時に読み手です。気持ちだってわかります。でも出来ないものは出来ないんです。諦めましょう。
もし要望を聞いてくれた心優しい人がいたらちゃんとお礼を言いましょう。
■作家へ個人的な要望の押し付け
人に自分の要望を押し付けてはいけません。
「トラブル対処のためこうして欲しい」これは普通の要望。
「私はこのキャラクターが好きだから描いて欲しい」「○○のイベントに出て欲しい」これは要望の押し付けです。
お伺いと押し付けは違います。「もしご検討中でしたら○○して頂けると嬉しいです」くらいに留めましょう。
軽い気持ちで「東京のイベント来て!」「地方のイベント来て!」なんて言うのもあまり良い事とはいえません。
東京の人が大阪のイベントに参加するのが大変な様に、大阪在住の作家さんが東京のイベントに参加するのも大変なんです。
作家さんが「出ようかな」などと言った場合「是非!」って言って応援するのはいいことです。それ以上は求めてはいけません。
また、貴方の好きなキャラクターだろうが設定だろうがシチュエーションだろうが作家さんがそれを好きかはわかりません。
人によっては地雷なこともあります。軽率な発言は控えましょう。
「逆カプ」は勿論のこと「別カプ」も基本話題に出してはいけません。
やってはいけないこと~書き手側~
■盗作、トレース
絵のトレース、ネタパクり、人の小説の内容を漫画にする・・・本人に許可をとってそれを明記した場合を除き全部盗作です。
創作に関わる者として恥ずかしい行為です。その界隈からも袋叩きにされるでしょう。やめましょう。
「有料素材の写真を参考にする」「人の絵を目トレス」等ギリギリアウトな人はたくさんいますが、そんなハイリスクなことしないでください。写真を参考にしたければフリー素材から。絵の練習をしたければコッソリトレースなり真似なりして、完成したものは「練習」として処分するなりしてください。基本的に人のもの真似しちゃダメです。
ちなみにトレースは一部だけでも禁止ですよ!手だけ、輪郭だけ、ポーズだけ・・・全部禁止です。ダメです。
■人の絵に口を出す、手を加える
知り合い同士の合作や「誰か塗っていいよ」という体の線画などを除いて人の絵に手を加えてはいけません。失礼です。
人の絵が好みじゃなくても下手だなと貴方が感じてもそれはあなたの感性の問題です。口を出してはいけません、失礼です。
「こっちの方が綺麗ですよホラ!」「こここうした方がいいと思いますよ」「色塗ってみました」「キラキラにしてあげました」
全部余計なお世話です。そもそも言ってる貴方は世界一絵が上手い人か何かですか?
貴方が「凄く上手に描けた!」と思った絵に対して急に「この絵のここ変ですよ、直しておきました」って言われて気持ちいですか?お絵かき講座を受けてるんじゃない以上そんなことで気持ちよくなる人はいません。
また作者シックなイメージで描いたものを第三者が「こっちのほうが可愛い!」と加工なんかされても気分悪いです。
貴方の感性を押し付けてはいけません、作者の感性を受け入れましょう。
勝手に色を塗ってもいけません、貴方にとっては「塗り絵」でも相手にとっては「無断転載」や「無断利用」に当たります。
人の物を勝手にしていいのはせいぜい携帯やパソコンに保存して眺める程度、それ以外のことは許可がなければダメです。
指が6本ある、手が3本ある、小説や漫画に誤字脱字がある・・・それはコッソリ教えてあげてください。
■作家”様”になる
あなたは漫画家先生や小説家先生ではありません、ただのオタクです。
自分の本を手に取ってくれた人を下に見てはいけません、同じ立場なんです。相手はあなたのことが好きな趣味の仲間です。
同等なんです、誰も偉くないんです。有名になっても人より規模が大きくてもオタクはオタク、偉くありません。
貴方の本を手に取ってくれる人はわざわざ会場に足を運んで貴方の趣味の創作物を受け取りにきてくれるんです。
感謝してください。見てくれる人、受け取ってくれる人がいなければ貴方はただの孤独な物書きです。
「読んでくれてありがとう」「来てくれてありがとう」「興味を持ってくれてありがとう」その気持ちを忘れてはいけません。
貴方だって書き手であり読み手です、上下関係なんてなんてありません。
■SNS上などで表立って他人と喧嘩する
説明上一旦ツイッターフォロワー数を戦闘値とみなし、フォロワー1万人を「強者」フォロワー100人を「弱者」と定義します。
(本来フォロワー数で能力や規模を測ってはいけません)
フォロワー1万人の大手サークル主さんとフォロワー100人の島中サークル主さんが喧嘩をしました。
最終的な結果はどうであれ、心に傷を負う分量が大きいのは恐らくフォロワー100人のサークル主の方です。
フォロワーというのは一部を除き大多数が好意的な意味でフォローをしています。なので、同じレベルのいちゃもん、どちらが悪いということでは計れない問題に直面した時、集団真理も手伝って「自分の好きな人に楯突く相手が悪い」と思いがちです。
すると、いくらお互いの主張がイーブンでも、100人に攻撃されながらも1万人に励まされる強者と、100人に励まされながら1万人と戦わなければいけない弱者、どちらの負担が大きいかはわかりますよね?
貴方は正々堂々1対1で戦っているつもりでも、知らないうちにあなたのフォロワーが相手に嫌がらせをすることもあります。
フォロワーが多くても何も偉くありません、知名度が高いというだけで権力はありません。
しかし権力は無くとも味方は多いんです。戦うなら個人間で水面下でやってください。外的要素を入れてはいけません。
数の暴力で勝とうとしないでください。喧嘩を売らないで下さい。売られた喧嘩を買わないで下さい。
っていうかそもそも喧嘩しないで下さい。